事例・コラム

誰に任せるかは自分で決めたい。任意後見契約で備える将来の安心

コラム18

ご相談を受ける中で、

「将来、認知症になった時のことが心配」
「信頼できる人に、あらかじめ任せておけたら

といったお声をよく伺います。

そんな時に知っておきたいのが、「任意後見契約」と「成年後見制度」
どちらも、判断能力が不十分になったときに備える仕組みですが、準備のタイミングや後見人の選び方に大きな違いがあります。

任意後見契約とは?ご自身で誰に託すかを決めることができます

任意後見契約は、将来、認知症などにより判断能力が低下したときに備えて、信頼できる人に財産管理や療養看護を任せる契約です。

✅まだ元気なうちに、ご本人が契約内容と後見人を決められる
✅契約は公正証書で作成
✅実際に判断能力が低下し、家庭裁判所が任意後見監督人(第三者の専門家)を選任した時点で効力が発生

つまり、ご本人の意思がしっかりしている“今”だからこそ選べる仕組みです。

成年後見制度とは?すでに判断能力が低下している場合の制度

一方、成年後見制度は、知的障害・精神障害・認知症などによってすでに判断能力が低下している方のための制度で、契約や手続をする際に支援を受けることができます。
親族などが家庭裁判所に申立てを行い、家庭裁判所が後見人を選任します。

成年後見制度は、本人の判断能力の程度に応じて「補助」「補佐」「後見」の3つに分かれており、それぞれ支援の内容や範囲が異なります。

▶︎補助

軽度の支援が必要な方向けの制度です。
日常生活の多くはご自身でできるものの、一部の重要な契約や手続きについてひとりで決めることに不安がある場合に利用されます。
補助人は、家庭裁判所の審判に基づき、特定の法律行為について同意を与えたり、代理したりすることができます。例えば、重要な契約や財産管理に関する行為について、補助人の同意が必要となります。

▶︎ 保佐

中程度の判断能力の低下に対応する制度です。
認知症が進行し、金銭管理や契約内容の理解が難しくなってきた場合などに利用されます。
保佐人は、家庭裁判所の審判に基づき、特定の法律行為について同意を与えたり、代理したりすることができます。
借金、相続の承認といった、財産に大きな影響を与える行為には保佐人の同意が必要となります。また、保佐人は家庭裁判所の許可を得て、居住用不動産の処分なども代理することができます。

▶︎ 後見

重度の判断能力の低下に対応する制度です。
この状態では、ご本人が日常生活を送るうえでの契約行為などがほぼ不可能なため、後見人が原則としてほぼすべての法律行為を代理できるようになります。
成年後見人は、本人の利益を最優先に考え、財産管理や療養看護などの支援を行います。

成年後見人はどうやって決まる?

申立てから選任までの流れ

1.    家庭裁判所への申立て
 制度の利用には、まず家庭裁判所に申立てを行います。申立ては、本人や配偶者、四親等内の親族、市町村長、検察官などが行うことができます。
2.    家庭裁判所による調査
 申立てを受けた家庭裁判所は、ご本人の判断能力や生活状況について調査を行います。
 医師の診断書や面談をもとに、ご本人の支援にふさわしい後見人を検討します。
3.    後見人の選任
 調査結果をふまえ、家庭裁判所が成年後見人を正式に選任します。
 選ばれるのは、親族または法律・福祉の専門家(弁護士、司法書士、社会福祉士など)です。

誰が選ばれるのか? 親族か、専門職か

これまで成年後見人は、法律や福祉の知識を持つ専門職資格者が選ばれるケースが多くありました。
しかし、2019年の有識者会議において、最高裁判所は「身近な親族を後見人として選任することが望ましい」という見解を示しました。
これは、親族の方がご本人の生活や価値観をよく理解しているという考えに基づくものです。
ただし、現状では約7割が専門職資格者、約3割が親族という割合で、親族が選任されるケースが増えているものの、依然として専門職資格者による後見人が多数を占めています。

ご自身で“誰に任せるか”を決めたいなら

成年後見制度では、誰が後見人になるかを本人が選ぶことはできません。
そのため、「信頼できる人にお願いしたい」「家族にお願いしたいが、スムーズに頼めるかわからない」とお考えの方には、任意後見契約の活用をおすすめしています。
任意後見契約であれば、

✅「この人にお願いしたい」という希望を反映できる
✅契約内容(財産の管理範囲や生活支援の内容)を自由に決められる
✅認知症発症前に、信頼関係のある人と準備しておける

という大きなメリットがあります。

元気なうちに意思を明確にし、契約を結んでおくことができる任意後見契約。
将来への備えとして、早めのご検討がおすすめです。

 

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担当バトラーからひとこと

成年後見制度は、ご本人が判断できなくなってからでは「選べない」制度です。
だからこそ、まだご自身で考えられる今こそ、“もしも”に備えておくことが何よりの安心につながります。
東急ラヴィエールでは、任意後見契約や成年後見制度に関するご相談を、法律の専門家と連携しながら丁寧にサポートいたします。
どこまで備えておきたいか、どなたに任せたいか
一緒に考えてまいりましょう。お気軽にご相談ください。

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